【耳の聞こえないキックボクサー】郷州征宜:2017.10.1タイトルマッチ

【耳の聞こえないキックボクサー】郷州征宜:2017.10.1タイトルマッチ

2017年10月1日プロキックボクシング「Krush」タイトルマッチ
郷州征宜vs安保璃紅

YOSHIDA GYM でアスリートサポート選手として、担当するようになって2年。プロキックボクサー郷州征宜選手のタイトルマッチが決まりました。私が担当しているのは、フィジカル、日々の体調管理、試合前の調整が主で、時には技術的な部分を指導しています。

郷州征宜選手は、生まれつきの難聴で耳が聞こえません。会話は口の動きを見て行います。彼から難聴であることの弱音を聴いたことがありませし、そのことに関して特に彼から聴くこともありませんし、特別な扱いはしません。なぜなら、彼はプロとしてリングに上がっている選手であり、そのリング上では皆が同じルールの元戦うからです。そして、それは彼が望んでいないでしょう。他のアスリートと変わらないプログラムを行い、変わらない指示を出し、それをしっかりとやりきります。

今回対戦する安保(あんぽ)選手には4月のKrush-60kg王座決定トーナメント準決勝で僅差の判定負けを喫しています。つまり、郷州選手にとってはベルトとリベンジが懸かった一戦となります。また、郷州選手は他団体合わせて今回が3回目のタイトルマッチでいまだベルトには手が届いていません。様々な心情があると思いますが、やるべきことは一つ。

勝つこと。

それは、相手に勝つ、自分に勝つ、日々の練習に勝つ、勝つために色々な欲求をコントロールする、など様々な勝つがありますが、全ては『試合に勝つ』ことに繋がっています。スポーツや格闘技などの競技の目的です。

スポーツや格闘技が感動的にうつるのは、勝ちと負けがありその間になんの交じりもないからでしょう。タイトルマッチのレベルになると、高い水準での競い合いなので、ほんの少しのことが大きく影響します。1秒いや、0.1秒の差が、勝ち負けにつながるのです。そして、最後には魂レベルでの気持ちが左右します。ことタイトルマッチでは、ここまでに費やす時間は何千時間、何万時間に及ぶ選手もいるでしょう。

勝つという喜びはほんの一瞬です。ではなぜその一瞬のために、人生をかけて戦うのでしょうか。

練習、仕事の日々について
「はじめは嫌になったりはしましたけど、今は慣れましたね。
俺はやりきったなって言えるものが欲しいなと思って。
だから、今回のキックボクシングは、
やりきったぞって言える所まで行きたいなって思っていますね。」
NHK Eテレ 2014年10月26日(日)放送インタビューより

やりきるって思える、実感できることは、その世界や状況により違いがありますが、郷州選手は“チャンピオン”になったらやりきったと思えるのでしょうね。
私個人の話ですが、やりきったと胸を張って言えることがありません。ですから、このようにその夢に向かって全力で人生をかけて勝負をしている選手を、人を心からサポートしたいという強い思いがあります。形はどうであれ、その人がやりきったと思えるサポートを通して、私のやりきったが積み重なり、その足りないやりきったをすこしずつ埋められているのかもしれません。

チャンピオンになった先には、また新たなやりきったを求めて戦うでしょう。その新たなやりきったの序章になるこの戦い。

2017.10.1、チケットは売り切れですが、abema TV でご覧いただけます。戦う理由は様々でも、一瞬の輝きのために全力で戦う選手たちの姿を是非ご覧ください。そして、郷州征宜の応援をよろしくお願いいたします。
abema TV
Krush

この記事を書いた人
パーソナルトレーナー 吉田 直輔
「全ての人にフィットネスを」をミッションとし、科学的根拠をもとにクライアントの目的を達成するために全力で“伴走”する。トレーナーオブザイヤー2010MVP、総合格闘技パンクラス2007トーナメントMVP(和術慧舟會所属)、レスリング全日本選手権4位(自衛隊体育学校所属)、第一回東京メンズフィジーク2位など 

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